環境汚染と地元の人々の生活・健康へのリスク(フィリピン・パラワン島)

私たちの身近にある携帯電話、50円玉や100円玉、そして数々のステンレス製品――これらの原材料として欠かせないレアメタル「ニッケル」を1977年から日本に供給し続けている村がフィリピンにあります。

フィリピンで最も生物多様性の豊かな地域として知られ、その保全のために個別の国法も定められているパラワン島。その島の南部のバタラサ町リオツバ村では、日本企業である太平洋金属が1960年代からニッケル鉱山開発を手がけ、2005年には住友金属鉱山、三井物産、双日の出資による製錬事業も開始されました。2010年のデータでは、日本のニッケル総輸入量の約10%にあたる約2万5千トン(Ni純分換算)のニッケルが、この村から日本に輸出されています。

この日本とつながりの深いニッケル開発現場の周辺に暮らす地元住民は、これまで、ニッケル開発による様々な環境社会影響に懸念を抱いてきました。

鉱山開発とそれに伴う移民の増加により、山・川・海など自然と共生してきた先住民族パラワンの人々の生活の場はどんどん狭められてきました。また、製錬所ができてからは、咳の慢性化や皮膚病の症状など健康状態の悪化、あるいは、悪臭被害を訴える住民も出ています。

これまでに、鉱山や製錬所の排水が流れ込む近隣の河川では、発がん性、肝臓障害、皮膚疾患等も指摘される毒性の高い重金属である六価クロムが、環境基準を超えていることが確認されていますが、事業者による汚染源の特定はなされていません。同河川の流れ込む湾内では、魚類の減少等が漁民から報告されており、生態系への影響も懸念されています。

より詳細な情報はこちらをご覧ください。
http://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/rt/

(アップデート)
フィリピン・パラワン州および北スリガオ州でつづく六価クロムによる水質汚染
―日本企業が関わるニッケル開発事業周辺地での2018年乾季の水質分析結果(2018年9月)
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/rt/press/2018Sep.html

 

30年以上、日本にニッケル鉱石を輸出し続けているリオツバ鉱山サイトリオツバ・ニッケル鉱山(手前)とニッケル製錬所用のテーリングダム(奥)第1、第2コーラルベイ・ニッケル製錬所

 

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